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― 食品衛生責任者って結局なにする人? ―
「食品衛生責任者って、名前だけ置けばいいんですよね?」開業相談でよく出る質問です。
実際は、食中毒や異物混入のリスクを“日々つぶす”ための、現場の中心役。
この記事では、食品衛生責任者が何をするのか、誰がなれるのか、やりがちな勘違いまでを実務目線で整理します。読後には「うちの店なら何を回せばいいか」が見えるはずです。
多くの自治体では、(許可・届出の対象となる)施設ごとに食品衛生責任者の設置を求めています。(※必要性や取り扱いは自治体の運用で異なります。)
食品衛生責任者は、営業者の指示に従って衛生管理に当たり、衛生上必要な注意を行い、必要な助言(意見)を述べる立場とされています。
また、営業の内容によっては、実務講習を定期的に受講し、最新の知見の習得に努めることとされています。
※一部の食品・添加物の製造/加工施設(政令で定める品目)では、食品衛生責任者とは別に食品衛生管理者の選任が必要です。該当するかは取り扱う品目・工程・施設の内容で決まるため、開業前に保健所へ確認してください。
食品衛生責任者の仕事は「衛生を仕組み化して、毎日回すこと」。
特に重要なのは次の3つです。
HACCP(ハサップ)は、工程の中で危害要因(食中毒菌・異物など)を把握し、重要なポイントを決めて記録し、ズレたら是正する考え方です。責任者は、
を現場の言葉に翻訳して、ルールとチェック表にします。
温度記録、清掃点検、従業員の健康チェック、アレルゲン管理(原材料確認・混入防止・表示が必要な商品は表示確認)などは、書くことが目的ではありません。
異常に気づいたら原因を切り分け、食材の扱いを食品・経過時間・温度逸脱の程度に応じた基準で判断します。
温度逸脱が出た場合は、あらかじめ定めた手順(手引書・自社基準)に従い、原則は使用中止・廃棄等を含めて判断します。再加熱で安全性が担保できないケースもあるため、再加熱を手段として採る場合でも、対象食品・条件・確認方法を基準化し、迷う場合は保健所等に確認します。
そして、再発防止(点検回数、ルール変更、修理手配)までつなげます。
新人が入るたびに衛生レベルがブレると事故が起きます。
手洗い、器具の使い分け、加熱基準、アレルゲンの扱いを短いルールにして掲示し、朝礼や教育で定着させます。
「講習を受けた人の名前だけ」では、事故が起きたときに原因究明も再発防止もできません。
責任者は“注意・助言をする役割”なので、少なくとも衛生ルールと記録の確認、改善提案は必要です。
最終的に衛生管理体制を整え実行させる責任は営業者にあります。一方で、食品衛生責任者も記録確認や注意・意見具申など、求められる役割を果たすことが重要です。
営業者は食品衛生責任者の意見を尊重することが求められ、丸投げは危険です。逆に食品衛生責任者も、記録や写真など根拠を示して改善提案するのが実務です。
飲食店は原則としてHACCPに沿った衛生管理が必要で、小規模店は業界手引書に沿った簡略化(HACCPの考え方を取り入れた衛生管理)で運用するのが一般的です。
なお、厚労省の整理では、“公衆衛生に与える影響が少ない営業”の一部はHACCPに沿った衛生管理の対象外とされています(ただし一般的衛生管理は必要)。該当性は業態の細部で変わるため、必ず保健所で確認してください。
資格は一般に更新で失効する仕組みではありませんが、食品衛生責任者は、定期的に講習を受け知識更新に努めることが示されています。
案内方法・頻度・対象の運用は自治体ごとに異なるため、保健所や食品衛生協会の案内に従ってください。受講方法は地域により異なりますが、食品衛生協会の講習やeラーニングが案内されています。
一般的には養成講習会を受講して資格を取ります。一方で、調理師・栄養士・製菓衛生師・薬剤師など、一定の資格があれば講習が不要なケースもあります。開業前に「誰を責任者にするか」を決めておきましょう。
食品衛生責任者は「衛生を守る人」ではなく、「衛生が守られる仕組みを回す人」です。
効果的な仕組みを構築するためにも、講習や自治体情報で、知識を更新するように努めることが重要。
今日から始めるべきポイント
迷うときは、まず管轄の保健所や食品衛生協会の資料を参考に、無理なく続く形に整えるところから始めましょう。
※食品営業許可・届出・衛生管理義務の判断、責任者の選任・講習・HACCP区分は、事業内容や自治体の運用によって異なります。実際に事業を行う前には、必ず管轄の保健所へ相談してください。
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