MENU

急ぎ状況を確認したい場合などは
電話でご相談ください。

TEL:072-200-3462

食品衛生責任者は何をする?現場で迷わない実務ポイント

食品衛生責任者って結局なにする人?

「食品衛生責任者って、名前だけ置けばいいんですよね?」開業相談でよく出る質問です。

実際は、食中毒や異物混入のリスクを“日々つぶす”ための、現場の中心役。

この記事では、食品衛生責任者が何をするのか、誰がなれるのか、やりがちな勘違いまでを実務目線で整理します。読後には「うちの店なら何を回せばいいか」が見えるはずです。

目次

食品衛生責任者の役割と選任ルール

多くの自治体では、(許可・届出の対象となる)施設ごとに食品衛生責任者の設置を求めています。(※必要性や取り扱いは自治体の運用で異なります。)

食品衛生責任者は、営業者の指示に従って衛生管理に当たり、衛生上必要な注意を行い、必要な助言(意見)を述べる立場とされています。

また、営業の内容によっては、実務講習を定期的に受講し、最新の知見の習得に努めることとされています。

※一部の食品・添加物の製造/加工施設(政令で定める品目)では、食品衛生責任者とは別に食品衛生管理者の選任が必要です。該当するかは取り扱う品目・工程・施設の内容で決まるため、開業前に保健所へ確認してください。

現場でやること:HACCP運用・記録・スタッフ教育

食品衛生責任者の仕事は「衛生を仕組み化して、毎日回すこと」。

特に重要なのは次の3つです。

①HACCPに沿った衛生管理を“運用”に落とす

HACCP(ハサップ)は、工程の中で危害要因(食中毒菌・異物など)を把握し、重要なポイントを決めて記録し、ズレたら是正する考え方です。責任者は、

  • どこが危ない?(加熱不足、冷却不足、交差汚染など)
  • 何を見れば安全と言える?(中心温度、冷蔵温度、区分け)

を現場の言葉に翻訳して、ルールとチェック表にします。

②記録を「異常検知」と「是正」に使う

温度記録、清掃点検、従業員の健康チェック、アレルゲン管理(原材料確認・混入防止・表示が必要な商品は表示確認)などは、書くことが目的ではありません。

異常に気づいたら原因を切り分け、食材の扱いを食品・経過時間・温度逸脱の程度に応じた基準で判断します。

温度逸脱が出た場合は、あらかじめ定めた手順(手引書・自社基準)に従い、原則は使用中止・廃棄等を含めて判断します。再加熱で安全性が担保できないケースもあるため、再加熱を手段として採る場合でも、対象食品・条件・確認方法を基準化し、迷う場合は保健所等に確認します。

そして、再発防止(点検回数、ルール変更、修理手配)までつなげます。

③スタッフ教育で“当たり前”を揃える

新人が入るたびに衛生レベルがブレると事故が起きます。

手洗い、器具の使い分け、加熱基準、アレルゲンの扱いを短いルールにして掲示し、朝礼や教育で定着させます。

よくある勘違いとNG例:名義だけ/丸投げ/記録が形だけ

NG①「名義だけ置いて、実質何もしない」

「講習を受けた人の名前だけ」では、事故が起きたときに原因究明も再発防止もできません。

責任者は“注意・助言をする役割”なので、少なくとも衛生ルールと記録の確認、改善提案は必要です。

NG②「食品衛生責任者=事故の全責任を負う人、と思い込む」

最終的に衛生管理体制を整え実行させる責任は営業者にあります。一方で、食品衛生責任者も記録確認や注意・意見具申など、求められる役割を果たすことが重要です。

営業者は食品衛生責任者の意見を尊重することが求められ、丸投げは危険です。逆に食品衛生責任者も、記録や写真など根拠を示して改善提案するのが実務です。

NG③「HACCPは大きい工場だけ。飲食店は関係ない」

飲食店は原則としてHACCPに沿った衛生管理が必要で、小規模店は業界手引書に沿った簡略化(HACCPの考え方を取り入れた衛生管理)で運用するのが一般的です。

なお、厚労省の整理では、“公衆衛生に与える影響が少ない営業”の一部はHACCPに沿った衛生管理の対象外とされています(ただし一般的衛生管理は必要)。該当性は業態の細部で変わるため、必ず保健所で確認してください。

NG④「講習は1回受けたら一生OK」

資格は一般に更新で失効する仕組みではありませんが、食品衛生責任者は、定期的に講習を受け知識更新に努めることが示されています。

案内方法・頻度・対象の運用は自治体ごとに異なるため、保健所や食品衛生協会の案内に従ってください。受講方法は地域により異なりますが、食品衛生協会の講習やeラーニングが案内されています。

NG⑤「誰でもなれると思って、直前に困る」

一般的には養成講習会を受講して資格を取ります。一方で、調理師・栄養士・製菓衛生師・薬剤師など、一定の資格があれば講習が不要なケースもあります。開業前に「誰を責任者にするか」を決めておきましょう。

まとめ

食品衛生責任者は「衛生を守る人」ではなく、「衛生が守られる仕組みを回す人」です。

効果的な仕組みを構築するためにも、講習や自治体情報で、知識を更新するように努めることが重要。

今日から始めるべきポイント

  • 危ない点を選び、ルール化(温度・加熱・区分けなど)
  • チェック表を1枚にして、毎日書ける形にする
  • 異常が出たら“是正”までセットで残す
  • 新人教育は短時間でも繰り返す

迷うときは、まず管轄の保健所や食品衛生協会の資料を参考に、無理なく続く形に整えるところから始めましょう。

※食品営業許可・届出・衛生管理義務の判断、責任者の選任・講習・HACCP区分は、事業内容や自治体の運用によって異なります。実際に事業を行う前には、必ず管轄の保健所へ相談してください。

目次